相続税の税率はどれくらい?
Q.相続税の税率はどれくらいかかるのでしょうか?
先月、京都に住んでいる母が亡くなりました。相続税の申告が必要になりますが、母の相続にどのくらい相続税がかかるか計算の方法を教えて頂けますか?
母の相続財産は、預貯金4,800万円・有価証券3,000万円です。相続人は父と姉と私の3人です。
預貯金は父が相続し、有価証券は私と姉で半分ずつ相続したいと思います。
A.相続税額は遺産額に早見表の税率をかけて控除額を差し引いた金額です
遺産を相続すると相続税がかかります。相続税は遺産の総額にかかるわけではなく、基礎控除額を超えた場合に相続税が発生します。
相続税の計算方法は、遺産を取得した方が取得した遺産の価額に応じて負担することになりますが、遺産の分割方法によって相続税の総額が変わることがないよう、各人が実際に取得した遺産に直接相続税率をかけて計算する簡単な方法ではなく、下記の3つのステップを踏んだ計算が必要となります。
ステップ1 遺産の総額を算出
ステップ2 相続税の総額を算出
ステップ3 各人ごとの相続税を算出
ステップ1 遺産の総額を算出
被相続人の所有していた遺産を把握します。
土地や株式がある場合は相続税の評価基準に合わせて評価します。
お母さまの遺産の総額(預貯金4,800万円+有価証券3,000万円=7,800万円)
ステップ2 相続税の総額を算出
(遺産の総額-基礎控除額)×法定相続分×相続税率-控除額=各相続人の相続税額
各相続人の相続税額をすべて合計する
遺産の総額から基礎控除額をマイナスした金額(課税遺産総額)を実際に取得した者がだれであるかにかかわらず、法定相続人が法定相続分で相続したものと一旦仮定して各人の相続税額を算出します。
基礎控除額
3,000万円+600万円×法定相続人の数
<早見表>
法定相続人の数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
基礎控除額 | 3,600万円 | 4,200万円 | 4,800万円 | 5,400万円 | 6,000万円 |
<法定相続分>
民法で決められた遺産相続の割合
配偶者と子供2人の場合 配偶者が1/2 子供が各1/4
課税遺産総額に各相続人の法定相続割合をかけて、さらにその金額に相続税率をかけた後、決められた控除額を差し引いて計算した相続人全員の相続税額を合計した総額を算出します。
相続税の税率は一律ではなく、相続する遺産の額が増えるにつれ、相続税率が上がる超過累進課税になっており最低税率10%~最高税率55%です。
平成27年1月から、取得金額が2億円超3億円以下の場合の相続税率は40%から45%に、取得金額が6億超の相続税率が50%から55%に上がりました。
相続税率の早見表(平成27年1月1日以降) | ||
各相続人の 仮の取得金額 | 税率 | 控除額 |
~1,000万円以下 | 10% | - |
~3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
~5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
~1億円以下 | 30% | 700万円 |
~2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
~3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
~6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超~ | 55% | 7,200万円 |
計算に用いる相続税率は課税遺産総額に対応する取得金額の相続税率ではなく、各相続人の法定相続分に対応する相続税率になります。
相談者の場合は、7,800万円の30%の相続税率ではなく、父15%姉10%相談者10%の相続税率を用いります。
同じ課税遺産総額の場合は、法定相続人が多くなればなるほど税率が低くなり相続税は少なくなります。
では実際に計算してみましょう。
ステップ1の7,800万円から基礎控除額(3,000万円+600万円×3人=4,800万円)を差し引いた、3,000万円を法定相続割合で按分し、それぞれ相続税の早見表の相続税率をかけた後にそれぞれの控除額を差し引いた金額の合計額がお母さまの相続税の総額となります。
具体例
(父)3,000万円×法定相続割合1/2=1,500万円
1,500万円×相続税率15%-50万円=175万円
(姉)3,000万円×法定相続割合1/4=750万円
750万円×相続税率10%=75万円
(相談者)3,000万円×法定相続割合1/4=750万円
750万円×相続税率10%=75万円
相続税の総額=325万円
ステップ3 各人ごとの相続税を算出
各相続人等の相続税=相続税の総額 × 各人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額
ステップ2の各相続人の相続税の総額を実際の遺産の取得割合で按分して相続人ごとの相続税を計算します。
さらに、各相続人等の事情を考慮し相続税額から配偶者の特別軽減などの各種の税額控除額の控除や、兄弟・甥姪などが遺産を取得した場合は相続税の2割の加算をした残りの額が各相続人等の納付する相続税額になります。
同じ遺産と同じ家族構成であっても、各種の税額控除や2割加算をすることによって、相続税額の合計額は変わります。
では実際に計算してみましょう。
(父)4,800万円を取得
相続税0円
(325万円×4,800万円/7,800万円)-配偶者の税額軽減200万円=0円
(姉)1,500万円を取得
相続税62.5千円
325万円×1,500万円/7,800万円=62.5万円
(相談者)1,500万円を取得
相続税62.5千円
325万円×1,500万円/7,800万円=62.5万円
納付する相続税の総額=125万円
配偶者については、配偶者の老後の生活保障が必要であることや被相続人の遺産の維持・形成に配偶者が大きく寄与していると考えられることを考慮して、1億6千万円か法定相続分相当額のどちらか多い金額の税額軽減を受けることができるため、配偶者が遺産を相続する場合は、相続税が0円となる事がほとんどですが、1次相続で配偶者が遺産を取得したため、配偶者の2次相続時に想定しなかった相続税が発生するリスクもあるため、分割方法を決める際には2次相続までを想定したシミュレーションをされることをお薦めします。
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相続税に強い税理士を選ぶコツ
円満な相続をするために、相続税に強い税理士を選ぶコツを必ず確認しましょう。
(1)相続に実績のある税理士を選ぶ
現在日本に税理士は7万人超いますが、相続税の申告件数は5万件台であり、単純計算で税理士1人当たり1件もありません。
1年に1件あるかどうかでは、ノウハウが身に付かず、相続税が得意な税理士は非常に限られている一方、得意な税理士は年に数十件と偏っているのが現状です。
相続税は対応の仕方でかなりの差が出る税目なのです。
(2)相続専門税理士か、相続部門がある税理士法人を選ぶ
現在日本に税理士は7万人超いますが、相続税の申告件数は5万件台です。
単純計算で財産評価に精通するには、極めて専門的で長い経験を必要とする上、毎年、税制改正があるので年中研究している人がいないと最適な対応は難しいのです。