誰に何を相談すべき?相続の専門家マップと「正しく恐れる」大切さ
相続の手続きを進めようとすると、税理士、司法書士、弁護士など、多くの専門家が登場します。「誰に相談すればいいのかわからない」と迷われるのも無理はありません 。 最後のコラムでは、専門家の使い分け方と、納得のいく相続を迎えるための心の持ちようについてお話しします。
【監修:税理士 坂下美里】
1. 専門家別 「得意な分野」と「できないこと」
実は、各士業には法律で定められた専門領域があり、何でもできるわけではありません 。
- 税理士:税金のプロ
- 得意: 相続税の計算・申告、節税対策の提案、税務相談 。
- できない: 不動産の名義変更、紛争の解決(訴訟代理) 。
- 司法書士:不動産登記のプロ
- 得意: 不動産の名義変更(登記手続き)、遺言書の作成支援 。
- できない: 相続税の申告、140万円を超える争いの代理 。
- 行政書士:書類作成のプロ
- 得意: 遺産分割協議書や相続関係説明図の作成、自動車の名義変更 。
- できない: 登記手続き、相続税の申告、訴訟代理 。
- 弁護士:法律紛争のプロ
- 得意: 親族間で揉めてしまった場合の交渉、裁判、調停の代理 。
- できない: 専門分野以外の細かい税務申告など 。
まずは「税金が心配なら税理士」「名義変更だけなら司法書士」「揉めそうなら弁護士」という基準で選びましょう。最近では、窓口一つでこれら全ての士業と連携している事務所も増えています。
2. 「正しく把握し、整理する」ことの重要性
相続対策において最も大切なのは、現状の把握です 。 「財産がどこに、どれだけあるのか」 「誰がどの財産を引き継ぎたいと思っているのか」 これらが不明確なままでは、どんなに優れた法律の知識も活かせません。ご自身の財産について一度棚卸しをしてみることを強くお勧めします 。
3. リスクを「正しく恐れる」ということ
法律は正しく活用すれば家族を守る強力な味方になりますが、使い方を誤ると予期せぬトラブルや税負担を招く「怖さ」もあります 。
- 遺言書の書き方を間違えて無効になった。
- 良かれと思って行った生前贈与が、実は税務調査の対象になった。
- 申告期限を一日過ぎたために、数百万の特例が使えなくなった。
こうしたリスクを「正しく恐れる」ことが、確かな備えへの原動力となります 。その備えこそが、あなたが築いてきた財産と、家族の絆を守る土台になるのです 。
おわりに
相続は、あなたが人生で積み上げてきた「想い」を次の世代へ引き継ぐ、最後の大仕事です 。 精神的な不安や負担を取り除き、「相談して良かった」と思っていただけるよう、私たち専門家は日々業務に取り組んでいます 。 少しでも不安を感じたら、まずは身近な専門家の無料相談などを活用して、最初の一歩を踏み出してみてください。その一歩が、あなたとご家族の穏やかな未来に直結しています。































